2013年1月4日金曜日

溢れ出す感動・・・・・ブッポウソウ     






                              西区 柳場 稔


     



 30年近く前になるでしょうか。様々な場所に出かけて、いろいろな鳥を見たいという欲求が強かった頃のこと。神奈川支部が編集した”神奈川の野鳥”(ヤマセミの写真の表紙で緑色の・・・)の探鳥地案内のページは当時の私にとって心強い味方となっていました。その日もその本を頼りに目指した場所は津久井湖。目標とする鳥が何だったのか正確な記憶はありませんが、未知の鳥と場所を目指して車を走らせていたのは確かでした。休憩を兼ねて城山ダム脇の駐車場に車を止め、ダム下流側を見下ろす展望台へ。ダム周辺には何故かドバトが多く、一瞬ヤマセミ?かと期待するものの、現実は残念なものでした。そんなとき何気なくダム壁面の小さな排水口を見ていたら一羽の鳥が飛び出すのを発見。双眼鏡で捉えると、それは紛れもないブッポウソウ。もちろん初見です。図鑑等で見た翼の大きな斑紋が白ではなく、水色だということも初めて知りました。運良くそのまま近くの電線にとまってくれたので、その姿を望遠鏡でジックリ見ることもでき、美しい羽色も堪能することができましたが、まさか自分でもこんなに興奮するものなのかという状態で、近くにいた人をつかまえて望遠鏡を覗かせようとする気持ちを何とか堪えていました。ブッポウソウを順光でジックリ観察したのも、こんなに鳥で興奮したのも、後にも先にもこの時だけで、おまけに下流側から湖方面に飛び去る”ホンモノ”のヤマセミまでもこの場所で見ることができるという幸運な一日でした。